この度、当クリニックでは東レメディカル社製コンソールTR-10EX及び、TR-3300Mの全63台にオプション機能であるTM-Pilot1.0を導入しました。
TM-Pilotの機能として、透析中の血圧低下の軽減を目的とした機能で、血液回路にセンサーを取り付け、血圧、血液温度、Ht値、Hb値、⊿BV%(循環血液量変化率)などをモニタリングし、除水速度の調整や、透析液温度を自動調節します。
当クリニックで使用したところ、血液温度は体温より0.5~1℃低く、透析液温度を体温近くに設定していると、血液温度が温められ、透析2時間経過ごろには、血液温度は透析液温度と同じくらいまで温められています。
血液が温められると末梢の血管が開き、血液低下の一因になると考えられます。
除水に関して、透析間で増加した体重は、全てが血管内の水分ではなく、多くは、浮腫の様に細胞や組織等に存在し、透析で除水をすることで血管内の水分が減り、それを補うために血管外から血管内に水が移動します。その水の移動が除水スピードより遅くなると血圧低下や足のつりなどの症状が出てきます。
以上のことを当クリニックで使用している透析装置の新しい機能TM-Pilotにて監視し、より安全な透析が行えるようになりました。
実際に使用した患者さまの声は
・透析後、帰宅するのに休み休み帰っていたが、休まず帰れるようになった。
・透析後は、帰宅ししんどくて夕方までは横になっていることが多かったが、透析後そのまま買い物などできる様になった。
などの透析中の血圧安定だけでなく、透析後の体感的な違いの報告を多数お聞きしています。
今後もスタッフ一同、患者さまにとって安全で安楽な透析を目指して取り組んで参ります。